チップチップチップ
今回の旅で最も驚いたことの1つ。
それは、信号待ちで車が止まると、物売りや窓ガラスをふく人たちが寄ってくることです。
信号待ちの間に、お菓子や水、花束からミニテーブルまで、おもいおもいの商品を手にセールスにやって来ます。
いらなければ断ればよくて、いるなら買えば良いというシンプルなもの。
ただ、窓拭きの人たちはちょっと違います。
彼らの場合、ふくこと前提で寄ってくるので、いらなければ即座に断らないと、窓をふき始めたら最後、チップをあげないといけないそうです。
てか、ええ???そんなことってある???
が、このような物売りをしている人たちは当然、とても貧しい人たちなので、そのように積極的に何かをしてチップをもらったり、物を売って少しでも稼ぎを得ているというわけなのです。
例えば、コンビニやスーパーで、レジの最後に人がいて、買ったものを袋に入れてくれるのですが、なんとこの人たちは店に雇われているわけではなく、勝手に毎日そこに立ってその仕事をしているのだそうです。
仕事、といっても、チップをあてにしているだけなので、もらえなくても文句は言えません。お店側もそんな人たちの立場を理解して、むしろ場所を提供してあげているので何も言わないのだそう。
そして、現地の人たちはその事情を分かっている&慣れているので、扱いもとても親切。大概の人はチップを渡します。
ぺぺも毎回チップを渡していました。
2年ぶりに帰省したぺぺ、「そうそう、これこれ。これがメキシコ。思い出した」とつぶやいていました。
チップを稼ぐ方法は他にもあります。メキシコは、路駐があたりまえ。歩道の縁が赤か黄色に塗られていないところに停めるのですが、たまに停められそうな場所に、ドラム缶などが置かれている場合があります。
これは、近所の人がわざと置いておいて、駐車スペースを探している人が頼むと、その缶をどかせて停めさせてくれるのですが、そのかわりもちろん、チップを払います。メリットは、自分の車を見張っておいてくれる(かも)っていうこと。
公共の道路ですが、ちゃっかりチップを稼いじゃってるわけです。
これはぺぺはあまり好きではないらしく、「本来タダであるはずの場所で稼ごうとするのはおかしい」と持論を述べていました。
でも、「それがメキシコ」なんだとも。
また、レストランにも流しみたいなギターを抱えた人が入ってきて、おもむろに歌ってチップをもらったり、コンビニのドアを開けてあげたり・・・思いつく限りのスキマサービスに進出しています。
日本ではあまり見ない光景なので、最初は驚くばかりでしたが、もしこれを日本でやったら、メキシコみたいにはいかないだろうなと思いました。
窓ガラスを勝手にふいてチップを要求したら、日本人は怒りそうです。
スーパーのレジ袋にしても、要するに勝手にやっているわけで、日本だとサービスの一環として受け止められて誰も気づかないか、そもそも勝手に働くという制度が認められなそう・・・・
なんて考えていると、メキシコ人って寛大だな、と思ったのです。
もちろん、貧富の差が激しいので、そういう人たちの事情も組んでいるという社会背景はあるとは思うのですが、悲しい現実と、そんななかでも人間同士の暖かいふれあいみたいなものを垣間見た気がしたのでした。
おおげさかもしれませんが・・・・。
そういう人たちに冷たくしない、時にはサービスを利用する・・・
うーん、悪くないね!
当然、根本的に一番いいのは、そういうことをしなくてもいい社会の実現だとは思うのですが。
それにしても、勝手にスーパーで働くとか、車に寄って行くとか、積極的なところがまたメキシコ人っぽい!!(勝手なイメージですが)
悲しい社会背景はおいといて、けっこうジワジワきたのも事実なのでした。
そういえばいつかぺぺが言っていた、
「メキシコ人は諦めない。なんとか道を見つける、それがメキシコ人」
と言っていたのですが、その意味がわかった気がした私なのでした。
あ、ちなみにレストランでは料金の10%くらいチップを払うっていう制度もふつうにあります。欧米諸国と一緒ですね!
チップ制度・・・慣れないわ!!